
はじめに
日本では、大学の数が年々増加しており、2022年には全国で807校という過去最多の数に達しました。これは、少子化時代において、子供の数が減少している状況において驚くべきことです。しかし、この増加傾向には一面で大学の存続が脅かされている現実があります。
実際、私立大学の47.5%で定員割れが発生し、いくつかの大学は学生募集を停止し、存続が危ぶまれています。この記事では、日本の大学の現状とその謎について考察し、なぜ大学が増えているのか、そしてなぜ潰してはいけないのかについて探究します。
大学の増加:その背後に隠された謎
日本における大学の増加は、一見すると子供の減少に対応したものとは思えません。なぜなら、子供の数が減少しているにも関わらず、大学の数が増加し続けているからです。
この現象は、多くの質問を呼び起こします。それでは、なぜ大学が増えているのでしょうか?
大学の多様性とビジネス化
一つの理由は、大学が多様な形態で存在していることです。これには大学、専門学校、短大などが含まれます。特に、一部の私立大学は経営努力によって存続し、助成金などに頼らずに収益を上げています。経営努力とは、教員の多様な科目を担当し、マネジメントを通じて収益を増やす方法などが含まれます。
また、大学はビジネスとして成り立つ存在として位置づけられており、多くの大学がPR戦略を駆使して学生を勧誘し、学費収入を得ています。このビジネス化の結果、大学の数が増加しており、多くの人々が大学進学を選択しています。しかし、この点については議論の余地があります。高校卒業後、すぐに大学進学が必ずしも最善の選択であるかどうかは問われています。
地方の大学の役割
地方における大学は、地元の学生にとって貴重な存在です。地方に大学が存在しない場合、学生は都会に流れる傾向があり、これが地方の衰退を促進する可能性があります。地方の大学は、地域に貢献できる人材を育て、地元の発展に寄与する役割を果たします。また、地方の大学は都市部の大学と比較して、学び直しの機会を提供することも重要です。
現行の入試制度の課題
現在の大学入試制度にはいくつかの課題が存在します。その中でも以下の点が最も注目されています。
入試の不均等性
大学ごとに入試難易度が異なり、地方の大学に入るためには高い偏差値を必要とする場合があります。これが地域格差を生み出す原因の一つです。
費用負担
私立大学への進学には高額な学費がかかり、これが学業選択に影響を与えることがあります。
入試における競争
大学の数は限られており、多くの生徒が一部の大学を目指すことから入試は激しい競争となっています。
大学入試制度の変革への提案
これらの課題に対処するため、以下の提案が考えられます。
公立大学への無試験入学の推進
地方の公立大学において、入試を廃止し、希望者全員に入学機会を提供することが考えられます。これにより、地方の大学への進学が格差なく可能となります。
学費の負担軽減
私立大学への学費負担を軽減する仕組みを検討し、多くの学生にとってアクセス可能な選択肢を提供します。これにより、経済的な要因が進学選択に影響を与えにくくなります。
大学の多様性の尊重
現在の大学ランキングや入試制度は、大学選びに歪みを生むことがあります。大学が多様な学びと経験の場となるよう、選択肢を拡充し、学生の個性や関心に合ったカリキュラムを提供するべきです。
学問の豊かさの尊重
大学は、純粋な学問の探求を支援し、将来の仕事に直結しない知識や経験も提供すべき場所です。学問の豊かさは社会にとって貴重な資源であり、これを尊重するべきです。
まとめ
大学入試制度は、現代の社会に合致するよう変革が求められています。入試の均等性、学費負担、学校の多様性、そして学問の豊かさを尊重するための変革が必要です。これにより、より多くの学生が自身の可能性を追求し、社会に貢献するための力を身につけることができるでしょう。
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